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豆乳パティシエ・植物性料理研究家
Uno Yukiko
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COLUMN

2020.08.21

ハラルはもっと美味しくなる?

植物性料理研究家うのゆきこです。
わたしがお店を構える京都市左京区は京都大学がある影響もあり国際色豊かで、イスラム教徒(ムスリム)の人たちと触れ合うことも珍しくはありません。

そのイスラム教徒は、豚以外の肉であれば食べることができるので、ハラル食=プラントベースとは限りません。

ですが、レストランなどで食事をするとき、イスラム教徒はハラル肉でないと肉を食べられないので、結果的に肉をあきらめてプラントベースのメニューを選ぶことはよくあります。

そういう意味で、ハラル食はプラントベースに近いと言えます。

コロナ以前の日本は「日本在住のイスラム教徒」、「訪日するイスラム教徒」のために、ハラル食を提供する飲食店を増やそうと頑張っていました。

ハラル食を認定する団体さんもいくつか立ちあがっています。しかしまだそれは「イスラムの人のためのハラル食」であり、「日本人のためのハラル食」にはなっていなかったと思います。

10年ほど前のこと、「関西のとある大学の学食でハラル食が定番になっている」という記事を発見しました。当時としては新鮮な驚きでした。

その後、機会をみてその学食に少しドキドキしながら忍び込んでみて食べてみましたが、味のほうは「まあ、こんなものか」という感じでした。

でも、あのややこしいハラル食を、飲食業界に先駆けて学食が取り入れた、ということに価値があるのであり、味についてとやかく言うのはあの時点ではお門違いだったと言えるのでしょうか。

しかし、味の進化は日進月歩。5年ほど前に「ハラル食のラーメン屋」が東京に誕生し、京都店も出店したというので、大急ぎで食べにいったのですが、それなりにちゃんと美味しかったです。

「近くに寄ったときにはここで食べよう」と思えるレベルになっています。「ハラル食も、美味しくなったなあ」と、しみじみ感じました。

おそらく前述の学食のハラル食も、あれから10年たつうちに美味しくなっているに違いありません。

前置きが長くなりましたが、ハラル食のアメリカでの市場規模をご存知でしょうか?
市場規模というのは、その業界の1年間の総売上のこと。

日本でのハラル食の市場規模は、1,000億円くらいと言われます。(実感としては、まだそんなにないように個人的には思いますが)

アメリカではそれが、2兆円あります。アメリカは日本より人口も多いし多民族国家でもあるので、2兆円くらいあるだろう、と思うかもしれませんが、

2001年の同時多発テロ以降、アメリカにいるイスラム系の人々は気の毒にも肩身の狭い思いをしています。

それを考えると、2兆円もあるのがじつは不思議なのです。イスラム系の人だけがハラル食を食べているとすると、2兆円にはとうてい及ばないからです。

「平均的なアメリカ人もハラル食を好んで食べている」と考えないと、辻褄があいません。あるジャーナリストの分析では、「イスラムが好きか嫌いかは別として、ハラル食は好き。だって美味しいから」というアメリカ人は多いそうです。

つまり、
アメリカのハラル食は美味しさが進化し、一般の人々からも選ばれるものになった。
美味しいので、イスラムが好きか嫌いかは関係なく人々はそれを食べるわけです。

かつて、フランスで料理を学んだアメリカ人シェフや料理家が、「カリフォルニア料理」
という、新しい料理のカテゴリを創造しました。

また、
アメリカに入ってきたメキシコ料理は、「Tex-Mex(テキサス風メキシコ料理)」
という新しい料理のカテゴリに変貌しています。

アメリカに入った日本料理にも、「アメリカ的な日本料理」に変化しているものも多い。

たとえばカリフォルニアロールはアメリカで発明され、日本に逆輸入されたものです。

このように、「異国の料理を、自分の国の人が好むようにアレンジする」という動きが増えれば増えるほどその料理は美味しくなります。

アメリカでのハラル食も、「アメリカ人が好むようなアレンジ」が進んでいるから、国民レベルで「ハラル食が好き」という評価になっているのでしょう。

アメリカで、ハラル食をヒットさせた有名なフードトラックがあります。
フードトラックとは、要するにお弁当などの移動販売店のこと。
「ハラル・ガイズ」
という会社がやっているフードトラックなのですが、

このフードトラックが販売しているハラルのサンドイッチがやたらに美味しいということで、ニューヨークあたりから火がつき、「ハラル食って、けっこう美味しいぞ」とアメリカ人の認識を変えました。

さて、この話から何を言いたかったのかというと、日本は「日本在住のイスラム教徒」、
「訪日するイスラム教徒」のために、ハラル食を提供する飲食店を増やそうと頑張っていました。

それはそれで大切なこと。

でも、本当はそれ以上に、「日本人が喜ぶようなハラル食」を考えることも大事なのではないか。食文化の発展になるのではないか。

料理教室のテーマにハラル食がもっと採用されたり、日本人のための美味しいハラル食のレシピがたくさん生まれてきたりという風に、そんなカンジになるとよいなあと思います。


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