ちょっと前の話ですが、2016年から17年は紫色のプラントベース食(パープルフード)がブームになっているとされた時期でした。
ダイエット食にもなり、紫という色の美しさもあいまってパープルフードは海外の富裕層や著名人のあいだでもてはやされていました。
ここでいうパープルフードとは、
* アサイーベリー
* 黒ゴマ
* 黒豆
* ナス
* ブルーベリー
* 紫アスパラガス
* 紫カリフラワー
* 紫キャベツ
* 紫芋
といったものを指します。
最近はパープルフードという言葉が話題になることも少ないようですが、安定して定着したというべきでしょうか、スーパーマーケットの店頭でパープル野菜を見かけるのもとくに珍しくなくなりました。
これらパープルフードの「紫色」は、アントシアニンに由来しています。
抗酸化力の強いファイトケミカルです。
パープルフードが流行った時期よりもはるかに昔の話になりますが、アメリカでオーガニックの農産物が高く売れるようになったのは、紫色のおかげだ、という説があります。
かつてのアメリカではオーガニックの農産物だからといって普通の野菜(=慣行農法の野菜)と比べて高く売れるかというとそんなことはありませんでした。
同じ値段であればオーガニックのほうがたしかに好まれたのですが、値段が違えば、人々は安いほうを買っていたのです。
その流れを変えたのが、有名なナチュラル・グルメスーパーの「ホールフーズマーケット」です。
ホールフーズマーケットはオーガニックの農産物を紫色のパッケージでデザインすることを思いつきました。
アメリカ人がもっとも価値を感じる色は「紫」だという調査レポートを発見したからだそうです。
そのアイデアは見事に当たり、ホールフーズマーケットの顧客は紫色に彩られた農産物売場で、値段の高いオーガニック野菜を喜んで買っていくようになりました。