植物性料理研究家うのゆきこです。
「ピザは野菜の一種である。なぜなら、たっぷりとトマトペーストがかかっているから」
2011年のこと。
アメリカの国会で、そんな議案が、賛成多数で可決されました。
ウソのようなホントの話です。大のオトナが国会で議論するような話とは思えないかもしれませんが、当時のアメリカ大統領オバマ氏が全米の学校のランチタイムで野菜を増やしジャンクフードを減らそうとしたことに対し、ピザ業界が反発し、国会議員に働きかけてこんな議案を通したのです。
以後、この国ではピザは野菜として認定されており学校給食や学校のカフェテリアに提供されています。
オトナの事情で奇妙な政治的結論が出た実例をもう1つ。
「プリングルスはポテトチップスかビスケットか」が、裁判で争われました。
2008年、イギリスでのことです。
ポテトチップスだと税金が高くなるので、メーカー(当時はP&G)は
「プリングルスはビスケットである」と主張。
いっぽう、税金の欲しいイギリス政府は「プリングルスはポテトチップスである」と主張。
最高裁判所の下した判決は、「ビスケットである」でした。
以後、この国ではプリングルスはビスケット扱いであり、ポテトチップスではありません。
19世紀、アメリカで「トマトは野菜か果物か」が、裁判で争われました。 当時のアメリカは、輸入果物には関税がかかりませんでしたが、野菜には関税がかかっていました。
そこでトマトの輸入業者は、関税を払いたくないために「トマトは果物だ」と主張。
逆に関税を徴収したい国側は「トマトは野菜だ」と主張。
両者の論争はエスカレートしこれも最高裁判所まで行くことになりました。
結局、野菜側が勝利し、トマトの野菜認定が確定しました。
ピザ=野菜
プリングルス=ビスケット
というのは奇妙な結論ですが、トマト=野菜というのは、わたしたちの感覚と合っているように思いますね。