植物性料理研究家うのゆきこです。
水族館で魚がコマツナを食べているのを見たことがあります。
ひもで縛って水槽の上から垂らしたコマツナを、無数の小魚が食いちぎっていました。
昔の映画とかででよくある
川を渡ろうとする牛にピラニアの大群が襲いかかるシーンみたいなのを思い起こさせてくれます。
でも、魚にとってコマツナってそんなに美味しいものなのでしょうか。見事な食べっぷりに少し見とれていましたが、考えてみればコマツナは陸の野菜。
海中を泳ぐ魚が陸の野菜に食いつくなんて文字どおり不自然です。水族館でもなければ
ふつうはありません。
それなのに飼育係の人はどうしてわざわざ「魚にコマツナを食べさせよう」と考えたのでしょう。その謎は今でも解けていません。
水族館の魚はコマツナを食べましたが最近の養殖場には果物を食べる魚がいます。
養殖魚の世界で魚に果物を食べさせることが流行っているからです。
ユズやスダチを食べて育ったブリやヒラメ
ミカンを与えられて育ったアユ
レモンで育ったハマチ
ブドウで育ったニジマス などが養殖されています。
「フルーツフィッシュ」と呼ばれる、これらの魚を刺身にしてみると、果物の香りが
たしかにします。
同時に魚臭さが減っています。
そのほか、「オリーブハマチ」は、オリーブの葉をハマチに食べさせたもの。
「ハーブサバ」は、ナツメグ、オレガノ、シナモン、ジンジャーという4種のハーブを
サバに食べさせたもの。
オリーブの葉もハーブも果物ではありませんが、
「フルーツフィッシュ」に分類されています。
海中を泳ぐ魚が陸の果物に食いつくなんてこれも不自然なのですが魚は喜んで果物を食べているようです。
今回は魚にもベジタリアンがいるという話でした。