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豆乳パティシエ・植物性料理研究家
Uno Yukiko
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COLUMN

2020.06.20

どうしたら人々は野菜をもっと食べる?

植物性料理研究家うのゆきこです。

「野菜は健康によい」
おとなの日本人ならたぶん全員知ってる。

だから、わたしたちはふだんから野菜を食べようと少しは意識しています。でもそれで足りているかどうか心配ですよね。 足りているかどうか目安があります。
厚生労働省によると健康のためには毎日350グラム分の野菜を食べると良いそう。
350グラムってどのくらいの量なのかはこちらを見てみてください。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html

さて、わたしたちが野菜を食べている量、実際はどうかというと、300グラムが、いまの日本人の平均値。目安350グラムに対し実際は300グラム。
つまり、わたしたちは野菜を食べてるつもりでもじつは少し足りない。
毎日の野菜を食べる量をあと50グラム増やすだけでいいんですけどその「あと50グラム」がなかなか難しいようです。
どうしたら人々はもっと野菜を食べるのでしょうか。
このテーマを真剣に研究している科学者が世界にはたくさんいます。
彼らの研究によって野菜の健康効果をいくら説いても残念ながら人々の野菜摂取量はたいして増えないということが最近、わかりました。
「いまのうちに勉強すれば将来、出世するよ」と言われたところでたいがいの子どもたちは勉強しませんね。
それと同じで、コマツナにはカルシウムが豊富だよタマネギを食べると免疫力が上がるよ
などと言われたところでたいがいのおとなは野菜を食べる量を増やさないようです。
食育のセミナーや栄養学の講座などでわたしたちは野菜の健康効果を説いて回りましたが効果は小さかったのかもしれません。
ところが科学者の研究によってこんなことも判明しています。
(飲食店で)
メニューに書かれた言葉が魅力的であれば人は野菜をもっと食べる

(スーパーで)
ポップやパッケージに書かれた言葉が魅力的であれば人はその野菜を買う

つまり
美味しそうに感じれば人は野菜を食べるということ。
コマツナにはカルシウムが豊富だよタマネギを食べると免疫力が上がるよと言われても食べないかもしれないけど、それどころか健康効果を強調すればするほど味気なさが印象づけられるそう。

逆にコマツナの刻み漬けオリーブオイルがけあつあつごはんとタマネギのステーキ特製ショウガ醤油で のような感じで書いてあったら健康効果がどうであろうときっと食べる。
スタンフォード大学による研究のようなので信頼できる結論だと言えるでしょうね。
野菜で食育したかったら国語のセンスを磨くのがいいのかも?

すごいキレイな野菜寿司の写真をみつけました。
パリの野菜寿司の店
http://vegesushi.eu/

伝統的なたべものから、いままで想像もしなかった新しいたべものまで、
プラントベースフード(植物性料理)の世界はとても広いです。


COLUMN

2020.06.15

広がる食の言葉

植物性料理研究家のうのゆきこです。

ここ数年、感度の高い人たちのあいだではベジタリアンが(私の知り合いで何名かはストイックなビーガンが)
このところずっとトレンドですね。ベジタリアンは世界中になんと5億人ほどいるそうです。

ベジタリアン人口の多い国は
↓
* アメリカ:2,000万

* ドイツ:800万

* イタリア:400万

* イギリス:300万

* カナダ:300万

* 台湾:300万

* オーストラリア:250万(人)  ※おおよその数字です。

ベジタリアンやビーガン宣言をしたセレブリティがいることもこうしたトレンドの要因になってるといえるでしょう。
<例>
* レオナルド・デカプリオ
* ノバク・ジョコビッチ
* ナタリー・ポートマン
* アリアナ・グランデ …..(敬称略)

今年、2020年のアカデミー賞では昼食会の料理や授賞式前に出された料理がビーガン料理だったことが話題になりました。

ベジタリアンやビーガンの中には、流行に関係なくもともとベジタリアン昔からのビーガンという本格的な方もいますし、「ベジタリアンはかっこいい」「ビーガンはおしゃれ」というある種のファッションとして実践している人も少なくありません。
でも、まだ世間一般的にはベジタリアンやビーガンはトレンディなのかもしれないけど特殊な人たちという印象があるのも事実ではないでしょうか。

ベジタリアンやビーガンが世界的に増えている一方、じつはひそかにベジタリアンをやめてしまう人も少なくありません。
こっそり検索するとベジタリアンやめましビーガンやめましたという告白ブログがいろいろ出てきます。
「脱ベジタリアン」を宣言した有名人たちにはこんな人たちも。
* アン・ハサウェイ
* アンジェリーナ・ジョリー
* グウィネス・パルトロー
(敬称略)

ベジタリアン(とくにビーガン)を実践するのはけっこう大変。とくに日本ではそう。
まず、外食したくても入れる店がとっても少なく、いやでも自炊することが多くなります。
そのために食材を買おうとして近所のスーパーマーケットに行っても満足のいくベジタリアン食材やビーガンフードにはなかなか出会えません。専門の店に行くか通販に頼るしかない。最近、ビーガンのコンビニができたりしてるけどそういう店に行くしかない。

さらにもっと困るのは人間関係。
ベジタリアンやビーガンであることをカミングアウトしたらトレンディなのかもしれないけど “特殊な食習慣の人たち”という扱いになりかねないから。

友達で集まって一緒にご飯を食べることになっても自分だけベジタリアンというシチュエーションがよくあって『気にしないでね』と言っても周囲も気を遣うし自分も居心地が悪い。
家族の中で自分だけベジタリアンというのも居心地がよくありません。
そんなのがイヤでベジタリアンであることを隠さなくてもいいはずなのに秘密にして生活したりする。
そういう状態が長く続くと疲れてしまい、ある日とつぜん『ベジタリアンやーめた』『ビーガンやーめた』ということになる人も出るでしょうね。
遠慮しなくていいのに遠慮してしまう。だからやめたいという人の気持ちも分かる。

そんな中で「植物性料理」「プラントベース」という言葉はオアシスのような立ち位置になると思うんですよね。
この言葉にはゆるくてオープンなイメージがあるから。
トレンディなのかもしれないけど特殊な人たちという印象を与えることもないから。
ビーガンでなくてもベジタリアンでなくても
植物性料理を楽しめばいい。隠す必要はないしやめる必要もない。
遠慮もしなくていい。みんなを巻き込む言葉だと思うんです。

世の中に
* ベジタリアン料理店
* ビーガンコンビニ   は増えてほしいけど、そのままではあまり増えないかもしれません。だって「ベジタリアン」「ビーガン」という言葉は普通の人々をひきつけるものではないから。普通の人は自分も関係があるとは気づかないから。
お店を開く側でも「ベジタリアン料理」「ビーガン料理」を名乗るのは客層を限定することになるし勇気がいるでしょう。
でも「植物性料理」「プラントベース」という言葉だったら、ベジタリアン限定ビーガン限定のような印象がなく、普通の人でも「たまには野菜料理を食べようかな」「今日は野菜多めでいこうかな」と思ったときに気軽に入れます。
もちろん
* 野菜好き
* 豆好き
* キノコの好き
* 雑穀好き  の人も入れます。

一気に対象者が増え市場も大きくなるように思います。
早くそうなってほしいから。
伝統的なたべものから、いままで想像もしなかった新しいたべものまで、プラントベースフード(植物性料理)の世界はとても広いです。
「植物性料理」「プラントベース」の広がりに期待しています!!


COLUMN

2020.06.10

【植物性料理】には、タイプが3つある

植物性料理研究家・うのゆきこです。

今回は【プラントベース食(植物性料理)】のタイプについて書いてみたいと思います。
ひとくちに【プラントベース食(植物性料理)】といっても、その種類はさまざま。
大きく分けると、
1)伝統的な植物性料理
2)置換的な植物性料理
3)超加工的な植物性料理
の3つのタイプに分類することができます。
それぞれに、どんなたべものがあるのか、見てみましょう!

<伝統的な植物性料理>とは?

* 精進料理
* 野菜好きの人が好む野菜料理
などがこの分類になります。

「肉や魚の代わりになるもの」というよりは、「それ自体を独立した料理として楽しむもの」という分類です。
精進料理の場合、昔は「肉や魚の代わり」だったものが、今では1つの料理として成立していると考えられるので、この分類に入れています。

和菓子の羊羹もそういう意味ではこの分類に入ります。
羊羹には「羊」という字が入っています。
もともと羊羹の「羹」は「とろ味がかったスープのこと」で、中国の唐の時代に、羊のスープのことを羊羹と呼んでいたそうです。
唐に留学した禅僧が、帰国の際におやつとして奈良の都に持ち帰ったのが始まりだそうです。
でも、禅僧は肉食禁止なので、羊羹を作りたくても羊肉を使えないので、小豆、小麦粉、葛粉といった植物性の材料で羊羹スープ「もどき」が作られたとのこと。
やがて、それが時代を経て甘いお菓子に大変身!
蒸し羊羹となり、江戸時代の半ばごろからは、寒天を用いた練り羊羹が作られるようになり、今日に至っているとされています。

<置換的な植物性料理>とは?

さきほどの「伝統的な植物性料理」が、それ自体を独立した料理として楽しむものであるのに対し、「置換的な植物性料理」には、肉や魚の代わりになるものという性格があります。
前述した「羊羹」は、今でこそ「伝統的な植物性料理」に分類されますが、奈良時代のころは「肉の代わり」として作られたので、当時は「置換的な植物性料理」だったと言えるでしょう。

さて、置換的な植物性料理にもさまざまな例があります。
ちょっと変わった例をあげてみましょう。
アメリカの西海岸では、品種改良により寿司ネタのマグロによく似た質感のトマト、寿司ネタのウナギによくにた質感のナス、が栽培されています。
このトマトやナスを上手に下ごしらえすると、寿司ネタのマグロやウナギと区別がつかなくなるらしく、ビーガンの多い西海岸では重宝されているとか。
日本人としては、とにかく一度は食べてみたいですね!

<超加工的な植物性料理>とは?

このところメディアを騒がせているのが「代替肉」と呼ばれているもの。
テクノロジーを駆使し、豆類や穀類や野菜などの材料を高度に加工してできる、“肉のそっくりさん”です。
その製造技術は日進月歩。
つい数年前まで「代替肉」とは名ばかりの、似てもにつかない(あまり美味しくもない)状態でしたが、今では味や食感はおろか、焼くと肉汁が出るところまで「肉そっくり度」が上がってきています。

「置換的な植物性料理」は
* 原材料が想像できる
* キッチンで作られる
ことに対し、「超加工的な植物性料理」は
* 原材料が想像しにくい
*「ラボ」で製造される
ことが特徴。
そのため、「こんなものはたべものと認めない!」と拒否反応を示す人もいることでしょう。
とはいえ、世界的なトレンドとしては「超加工的な植物性料理」の普及は着実に進んでいくものと思われます。
今はまだ「新奇なもの」「イロモノ」と受け取られていますが、時代を経て変化し、「伝統的なもの」として定着するのかもしれません。

わたしの中での想いは
* 伝統的な植物性料理
* 置換的な植物性料理
* 超加工的な植物性料理
どれも食文化の一端として受容し、楽しむスタンスを守りたいと考えています。

【プラントベース食(植物性料理)】という言葉には、肉好きな人も、野菜好きな人も、
「みんなで一緒に植物性のたべものを楽しもう!」という思いがこめられています。
「ベジタリアン」「ヴィーガン」ではなく「プラントベース」が注目を集める理由はきっとそこにあります。

日本でも世界でも大きなトレンドになりつつある
【プラントベース食(植物性料理)】。

あたらしい時代の
* 食のスタイル
* 食の文化
を一緒につくっていきましょう!

プラントベースフードマイスターとは
https://plant-origin.org/about/


COLUMN

2020.05.25

【プラントベース食(植物性料理)】で、もっと食を楽しく!

植物性料理研究家・うのゆきこです。

最近、スーパーでもよく見かけるようになってきましたが、いま“植物肉”が話題ですね。
代替肉、人口肉とも呼ばれていますが、どのくらい話題になっているかネット上のニュース記事を集めてみました。
↓
https://plant-origin.org/plantbasefood-news/

ただ、こうした記事に、なんとなくモヤモヤした気持ちを抱く人もいるようです。
なぜモヤモヤするのか…。
おそらくそれは、「肉食は環境に悪い」「肉食を続けることは体によくない」といった文脈で語られていることが多いからかもしれません。
これでは、明るさが足りないように思われます。

植物肉は動物性の肉を代替するモノ、しかたなく食べるモノ的な存在として扱うのではなく、
むしろこれからどんどん美味しくなるモノ、食卓や食生活をより豊かにするモノなど、 『食のあたらしいテーマ』として前向きにとらえれば、みんなが楽しくなるのではないでしょうか。
わたしは、そういう語り方をしたいです。

なので「植物肉」という言い方はちょっとどうかなと感じます。
ましてや「代替肉」「人口肉」という、美味しくなさそうな名前は使わずにいきたいです。
代わりに、植物肉や巷の野菜料理や繊細な精進料理などもひっくるめて、【植物性料理】【プラントベース食】などと呼びたいと思っています。

【プラントベース食(植物性料理)】については
こちらを参照ください。
https://plant-origin.org/

植物性料理研究家協会は、ベジタリアンやビーガンの集まりではありません。
シンプルに食に興味があり、植物性料理を楽しみたい人の集まりです。
「食」の楽しみには、「作る楽しみ」もあれば「食べる楽しみ」もあるでしょう。
楽しみ方は人それぞれ。
その人が
* 肉を食べるかどうか
* 魚を食べるかどうか
* 卵を食べるかどうか
* 牛乳を飲むかどうか
* チーズを食べるかどうか
* 蜂蜜を食べるかどうか
は、問いません。

そこは個人の自由。
わたしは【プラントベース食(植物性料理)】の「ファン」として
【プラントベース食(植物性料理)】がこれからもどんどん研究され、もっと美味しくなってほしいし、
【プラントベース食(植物性料理)】を日常的に楽しむ文化を育てたい!
【プラントベース食(植物性料理)】という食文化の担い手の一翼になりたい!
そう願っていますし、そうなるための活動をしていきます。

【プラントベース食(植物性料理)】という言葉には、
肉好きな人も野菜好きな人もみんなで一緒に植物性のたべものを楽しもう!
という思いがこめられています。

「ベジタリアン」「ヴィーガン」ではなく、
「プラントベース」が注目を集める理由はきっとそこにあります。

日本でも世界でも、大きなトレンドになりつつある
【プラントベース食(植物性料理)】。

あたらしい時代の
* 食のスタイル
* 食の文化
を一緒につくっていきましょう!

わたしたちと一緒に、「新しい食の世界をつくりたい!」
という人が集まってきています。

プラントベースフードマイスターについては、こちらをご参考に。
https://plant-origin.org/about/


COLUMN

2019.05.02

アレルギーフリー商品開発にかける想い

みなさん、こんにちは! 豆乳パティシエとして2006年から活動をしている、うのゆきこです。初コラム! 今回は、「アレルギーフリー」について書きたいと思います。

これまでの私自身の経験と感性で書くこともありますが、ご了承のほどお願いいたします。

何故って? それは、アレルギーには多種多様の考え方があるからです。

「アレルギーフリー」とはアレルゲンの食材を使用していない物を指します。すなわち、アレルギー物質を使わずに製品を作っているということです。「アレルギーフリー」とひとことで言っても、アレルゲンの種類や、アレルギー症状の重い軽いなど程度の問題があり、それらに対応してさまざまなものがあります。

平成21年の厚生労働省のレポートによりますと、日本の食物アレルギーの有病率は全年齢を通して1〜2%ぐらいだと推定されています。15歳以下においては10%程度と言われていました。

ところが、平成28年になると、全人口の約3人に1人が何らかのアレルギー疾患(喘息・花粉症・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー)に罹患しているそうです。

ところで、みなさんはアレルギーをお持ちですか?

私の場合、食物アレルギーは多分…、卵とアーモンドがありそうです。多分…、小麦も…。それと、ロセフィンという薬にもアレルギーがあります。

多分…??っていう言葉に驚かれるかもしれません。私の場合は、軽度のアレルギーだからです。私は食の仕事に20年以上従事していますので、一般の方よりも食べる頻度が多いし、食材に触れること(粘膜や皮膚など)も多いです。だから卵アレルギーを持っていると思っています。

アレルギーにはいろいろなパターンがありますが、過剰に体内摂取することで起こっているのだと、私は感じています。私が卵にアレルギー症状を起こし始めたのは、いまから15年以上前のこと。まだ駆け出しのパティシエとして仕事をしていた頃、卵白を立てるお菓子の生地を作っている時に、最後に焼成しない生地(ナマ生地)を食べて確かめる作業をするのですが(プロはこれをするのですが、みなさんは食中毒の危険もあるので真似はしないでくださいね!)、食べたその時に、舌の先にビリッと激しい痺れを感じ、飲み込むと食道にも違和感を覚えたのが最初でした。

なんだろう? とは思いましたが、戦場のような職場で仕事をしていましたし、水を飲んだら時間経過と共に違和感が収まり、何もなかったかのように過ごせるようになったので、それからもそのまま過ごすようにしていました。

それ以来、ナマ生地を食べると同じ症状が出てきたので、ケーキを作る際に自分自身で人体実験をして(笑)、症状を分析して、

「この症状は卵白アレルギーだなっ」

とわかりました。

生の卵白にアレルギー症状が出ることがわかりましたが、私の場合、生の卵黄は食べられますし、火を通した卵白も大丈夫なんです。

その後、病院でアレルギー検査を受ける機会がありましたが数値には全く異常が出なかったのです。

主治医の先生は私にこう伝えてくれました。

  • 数値が出ていなくても、症状があり反応があったら食べない。
  • 数値が出ていても、食べて反応がなかったら食べても良い。

という考え方でした。

私もこの考え方で卵白のアレルギーに向き合っています。ただ、私の場合は生の卵白を食べなければ良いだけなんです。

食物アレルギーの発症を予防する方法は、発症する原因となる食品を回避する除去食が基本です。私のように軽度であれば、それも生製品を食べないという簡単なことだとわかりやすいのですが、火を通した食物でもアレルギー反応が出る方がほとんどだと思います。

アレルギーフリーのお菓子への挑戦は、あるお客様との出会いから

私が作るアレルギーフリーのお菓子が誕生したのも、24種類の食物アレルギーのある4歳の男の子との出会いがきっかけでした。

それは9年前の12月21日のこと。女性の方がむしやしないのお店に来られ、24種類の食物アレルギーのある甥っ子さんのためにクリスマスケーキをプレゼントしたいという注文をされました。

12月21日は、クリスマスの4日前。お店はクリスマスケーキづくりでごった返していました。どういうものが食べれないのか聞いていくと、小麦、乳製品、卵、大豆、米、落花生、そば、キウイなどなど…。お菓子の主原料はおろか、大豆まで使うことができないことに困惑しました。構想まで2時間くらいの余裕しかなく、初めてのことでもあったので、諸先輩方に電話して相談してみました。

「そんなケーキ…、忙しいのに断り!」

「そんなこと考える時間があったら普通のケーキたくさん作り!」

というご意見でした。それはそうですよね。当然のことを言っていただいていました。ですが、この時、

「今、私が断れば日本中のケーキ屋さんが断るっ!」と、

よく分からない発想が頭の中に飛んできたのです。食べられる材料を詳しくお聞きして、構想2時間でケーキを考え、なんとか、彼にクリスマスケーキを作ってあげることが出来ました。

ですが、みなさんが想像するようなケーキではなく、とうもろこしとでんぷん、水、植物油、りんごで作った、茶色いケーキでした。ですが、男の子は初めてのケーキだと喜んで食べてくれたそうです。

本当に良かった!

ですが、その後の男の子の事を考えました。4歳だと、おやつが食べたい年頃だろうなって。スーパーに行っても、80%以上の商品が加工品で、その加工品には、必ずと言っていいほど小麦や卵が入っている。

「この男の子のお母さんは、毎日毎日、365日ずっと、すべて手作りで食事を作っていらっしゃるんだ」

と、加工食品の大切さを改めて痛感しました。365日手抜きできない…。すべて自分で一から作ることの大変さには、頭が下がります。

大人は我慢ができても、子どもだから、これからどんどん知識がついて、いろんな物や事に触れ、食べられないものに触れた時、きっと悲しい思いをするだろうなと思っていました。

私自身の幼少期を思い出しても、お子様ランチや流行の料理やお菓子がテレビで流れていると、毎回のように母にせがんで「食べたいっ!」と言っていた事を思い出しました。このご縁を機に、その後も毎年クリスマスケーキなどを作るきっかけをいただいていました。

定番ショートケーキの「白いクリーム」をアレルギーフリーにするための挑戦

ある年のこと。男の子は少しずつ食物アレルギーが緩和してきていました。お米が食べられるようになった頃、男の子から、

「絵本に出てくる周りが白いクリームで苺が上にのったケーキが食べたい!」

とリクエストをもらう事に…!

「知ってしまったか!」

一瞬、私はそう思いました。それはそうですよね。日本のケーキ界のプリンセス「苺のショートケーキ」様を知るのは当然です。少しずつですが、私もアレルギーの勉強をして、アレルギー対応ケーキのことを身近に考え出した頃でした。

「どうすれば、白いクリームを作ることができるか?」

まだ、男の子は大豆のアレルギーがあり、豆乳を使えると簡単にできるのですが、男の子のアレルギーフリーで白いクリームを作ることはとても難しかったのです。ですが、試行錯誤の末、アレルギーフリーの白いクリームを作ることができました。植物性で、それも大豆なし。「まるでミラクルだわっ!」と思った私は、このアレルギーフリーのケーキの名前を、奇跡のケーキ「ミラクルケーキ」と名付けました。ですが、この時は、見た目だけのケーキでしかなかったのです。中のスポンジは、ふわふわではなくパサパサ。生地の色は茶色でした。「いつか!ふわふわの真っ白いスポンジにしたい!」それが、始まりでした。

フランス菓子の世界で、どんなに修行をして学んでも、ミラクルケーキの世界で、その考え方は全く通用しませんでした。

なぜか?

フランス菓子の基本は、小麦・卵・乳製品・砂糖の4種類の合成でできているからです。ミラクルケーキは小麦・卵・乳製品・砂糖の4種類のうち、3種類の原材料を使用していなません。使用しているのは砂糖のみ。甘味をなくすとケーキの定義が壊れてしまうからです。そして、作る過程においても、「卵の偉大さ」と「乳製品のクリーミング性」には頭が下がりました。お菓子には必要不可欠な素材で優秀なんです。ニワトリさんとウシさんに感謝しかありません。これらを無くしてケーキをつくる事で、本当のありがたみがわかりました。

その後、どうすれば卵のようなホイップ性と乳製品のクリーミング性を兼ね備えられるのか?ふわふわでクリーミィーで濃厚な味わいになるのか? それも、アレルギーフリーで作るためにどうすれば良いのか? 冒険が、始まりました。

これが今思う、ミラクルケーキの3年間の低迷時期でした。試作をしても試作をしても、失敗ばかり。次々と問題が起こり、試練ばかりの日々でした。考えを変え、やり方を変えても、毎年の年末には、反省をしていました。

「今年も自分の掲げるミラクルケーキができなかった…」

京都大学の友人からセルロースを使ってみたらとアドバイスをもらい使ってみたこともありました。ありとあらゆるアレルギー対応のケーキや食材を買いあさり、研究材料として食べてみましたが、私の理想に叶うケーキには出会うことができませんでした。

「私が想像するふわふわのスポンジケーキなんて作れないのかなあーっ」

と諦めてかけていた頃。ある日、厨房でケーキの仕込みのため、乾燥大豆をボールに入れて水を注いだ時…!!! 泡立つ気泡を見て、点と点が線になったのです。

「これだ!」

そう思って作ったのが、現在の「ミラクルケーキ」のスポンジでした。明らかにこれまでとは違う、ふわふわ感! 試作に試作を重ね、7年の試行錯誤の末にたどり着いたのです。

「これなら、自信を持って販売できる」

そうして全国配送をスタートさせました。今では北は北海道それも旭川から、南は西表島や宮古島にも冷凍配送しております。

アーモンドやくるみアレルギーの方でも食べられるよう、ナッツフリーを実現

最初はナッツも使用していたスポンジケーキですが、今では「ミラクル*ケーキホワイト」「ミラクル*ケーキいちご」は特定原材料7品目不使用でナッツフリーです。「ミラクル*ソイタルト」「ミラクル*ティラティス」は特定原材料7品目不使用です。

ナッツフリーに関しては、最近、アーモンドやくるみアレルギーの方がよく来店されます。「ミラクル*ケーキホワイト」「ミラクル*ケーキいちご」に使用しているミラクルスポンジは今ではナッツフリーになりましたが、アーモンドを抜くことがとても大変でした。洋菓子って、かなりナッツ類を使用するんです。ナッツ類を入れると食べた食感も歯切れも良くなりますし、なんともいえない芳醇な香りと風味がお菓子に閉じ込めることができます。タルトのクッキー生地やダマンドクリーム、フィナンシェやマドレーヌなど、香ばしい独特な風味を作り出しますし、旨味もあります。お菓子には切っても切れない素材なのです。

アレルギーフリーで除去、不使用のものばかりお話ししてきましたが、「食べられないものに目を向けても、明るく前向きには進まない」と思います。「食べられるものの中で、さらにおいしくなるように」私は今後も、「ミラクル*ケーキ」を通して、食に制限のある方々のために、新しい商品をどんどん開発していきたいと思っています。

「ミラクル*ケーキ」に興味をもっていただけた方は、こちらからオンラインで注文可能です。


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